多忙な日々が、自身を支えてくれる人たちの存在に気付くきっかけに

 芸人という仕事に本気で取り組み始めたやす子さんは、ここにきてやっとお笑いについて研究を始める。そして『ぐるナイおもしろ荘2021』(日テレ系)への出演をきっかけにブレイク。出演番組が急増し、またたく間に人気芸人へとなっていった。その急激な変化の中で、自分の感覚も変わっていった。

「売れる前と後を比べると、自分の視野が広がったような気がしますね。前は自分のことでいっぱいいっぱいだったんですけど、最近だと、自分を支えてくれるマネジャーさんとか、事務所の人たちとか、スタッフさんたちに目を配れるようになりました。テレビ番組は自分ひとりで作っているんじゃなくて、たくさんの人たちが協力して作っているんだということを、実感できるようになりました」

 その気づきは、数多くの収録現場でたくさんの人と関わるようになったことが大きいのだろうか。

「そうですね。ここ数年でたくさんの現場を経験して、まわりを見渡したときに、こんなたくさんの人が関わっているんだって。そのおかげで、よりひとつひとつの仕事を大切にして、全力で取り組めるようになった気がします。ちょっとずつ自分に余裕ができたのかもしれないです」

どんな質問にも、時折考え込みながら真剣に答えるやす子さん 撮影/有坂政晴