『エンタの神様』ネタ見せの思い出
『エンタの神様』といえば、お笑いブームの最盛期を支えた立役者的存在。現在も特番で続いている人気番組で、陣内智則さんやアンジャッシュなど実力派が出演したほか、オリエンタルラジオが「武勇伝」ネタでブレイクし、コウメ太夫さんやですよ。さん、波田陽区さんらインパクトのあるピン芸人を押し上げた。
「当時、お笑いライブに『エンタ』のスタッフさんが来てカメラを回していたんです。それで1度ネタ見せに呼ばれて行ったことがありました」
ゴー☆ジャスさんは宇宙海賊のネタをいつものように全力で披露した。数多くのスタッフが見守る中、ひとりの男性が口を開き、こう言った。
「キミのVTRね、いつも飛ばしているんだよ」
「ええーー!? じゃあなんでネタ見せに呼んだの!? と思いました」
ーー一説によると、「キミのネタはなんかシャクに障る」と言われたそうですが、本当ですか?
「本当に言われたんですよ。その人は、僕のネタが“エンタにインスパイアされたもの”と思っていたのかもしれませんが、そんなつもりもなく。“むしろ視聴者として番組を楽しんでいたのに、なんでそんなこと言われなきゃいけないの? ”と思って。当然ネタ見せで落とされて、テレビってたいへんなんだなあと思いました。そのあと『レッドカーペット』が拾ってくれたので、この業界はいろいろなことがあるなあとわかりました」
ブームの水面下にあった悲喜こもごもを、ゴー☆ジャスさんは恨み節たっぷりに吐露するでもなく、常にフラットな視線で淡々と語るのだった。
ゴー☆ジャス
1978年、福島県生まれ。高校卒業後に声優を志し代々木アニメーション学院に進学。卒業後は俳優の事務所を経て本格的にお笑い芸人を目指し、ライブを中心に活動。2006年以降、現在の「宇宙海賊」の姿でテレビ出演が急増し、本人いわく「プチ以下の、ナノブレイク」。芸人としていち早くYouTubeアカウントを開設。公式チャンネル『ゴー☆ジャス動画』ではゲーム実況を中心に配信中。