転機となったのは12歳で出演した『鈴木先生』

 しかし、そんなイメージが変わってきたのは、ドラマ『鈴木先生』(2011年・テレ東系)への出演だったと言う。中学で国語の教師をしている鈴木先生が独特のメソッドで勃発する様々な問題を解決していく姿を描いた学園ドラマで、鈴木先生役を長谷川博己が演じ、北村さんは出水正という生徒に扮していた。

「生徒役の中には、土屋太鳳さん、松岡茉優さん、三浦透子さんもいたんです。『鈴木先生忘年会』みたいなのがあったりすると色々、懐かしい話が出てきて楽しかったんですけど、やっぱり、あの『鈴木先生』で育った僕らは考え方がちょっと似ているというか。頭で考え過ぎちゃうんですよ。だから、毎日、常にディベートして生きてたようなところがありましたね。実は、その前に小学校を舞台にした『ブタがいた教室』(2008年)という映画に出演させていただいたんですが、その時は、まだ小学生だったので、撮影現場で遊んでいた感じだったんです。台本も無かったですし。だから、僕らがアドリブで喋っていることに対して前田哲監督がOKを出していくというスタイルの現場だったんです。僕らが、小学生として遊ぶというのが『ブタ』で、逆に、中学生になりその役をまっとうすることを学んだのが『鈴木先生』でした。『鈴木先生』で作品を愛するということを学び、またいつか共演させていただきたいと、当時12歳なりに思っていましたね」

 その後、長谷川博己とは映画『セーラー服と機関銃 卒業』(2016年)、そして今春放映されたドラマ『アンチヒーロー』で共演し、その思いを成就した。

(つづく)

北村匠海(きたむら・たくみ)
​1997年11月3日、東京都生まれ。2008年公開された映画『DIVE‼』で映画デビュー。2009年に放映された『太陽と海の教室』でテレビドラマ初出演を果たす。2017年に公開された映画『君の膵臓を食べたい』で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめとする数々の新人賞を受賞。近年の出演映画に『とんび』、『法廷遊戯』、『東京リベンジャーズ』シリーズ、声の出演では『ぼくらの7日間戦争』、『かがみの孤城』、ドラマでは『星降る夜に』、『アンチヒーロー』などがある。

 

【作品情報】
『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』
原作:臼井義人(らくだ社)
監督:佐々木忍
脚本:モラル
声の出演:小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ、真柴摩利
ゲスト声優:北村匠海、オズワルド
主題歌:My Hair is Bad『思い出をかけぬけて』
8月9日(金)より公開
配給:東宝
🄫臼井義人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2024
■映画公式 HP:https://www.shinchan-movie.com/