タカラジェンヌといえば、男役はきらびやかな青年、女役はお姫様のようなヒロインを演じているというイメージを持っている方も多いだろう。だが、天真みちるは、宝塚歌劇団でおじさん役を極め「宝塚の佐藤二朗」と呼ばれることもある異色の存在だ。そんな天真さんは退団後に会社員になり、その後、フリーランスとして独立。あまりに多様な「THE CHANGE」を経験してきた。変化を恐れず、常にチャレンジを続ける天真さんの秘密とはーー。【第2回/全5回】
「“こんなに社会人に向いてないのは自分だけだろうな”と思ってたんですけど、想像以上に共感の声をたくさんいただけて、“よかったー”と安心しました(笑)」
そう語るのは、元タカラジェンヌで、現在は自身で会社を立ち上げてフリーのエンターテイナー・脚本家として活動をする天真みちるさん。18年に宝塚歌劇団を退団した直後、エンタメ系企業の会社員へ転職する「THE CHANGE」を経験した天真さんは、「社会人の常識」という壁にぶち当たった。
「社会人として何もわからない状態だったので、テンプレがほしかったんですよね。とにかく未知すぎて、“これが社会人だ”みたいなモデルがあるのであれば、その通りに一回沿ってやりたかった。漢字ドリルのお手本をなぞるみたいに」と、天真さんは当時を振り返り笑いながら話す。