一世を風靡したドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)への出演で注目され、“たのきんトリオ”の一人として絶大な人気を誇った野村義男さん。アイドルでありながら、当時は珍しかったバンド「The Good‐Bye」を結成。その後は、ギタリストとして浜崎あゆみさんのサポートや人気音楽番組「LOVE LOVE あいしてる」(フジテレビ系)に出演するなどしてきた。ギターを愛し続ける“よっちゃん”の、THE CHANGEとは。【第3回/全5回】

野村義男 撮影/冨田望

 野村さんがボーカル&ギターを務める4人組バンドThe Good‐Byeは、1983年に「日本レコード大賞」最優秀新人賞を獲得するなど人気を博したが、1990年に活動休止を発表。おりしも、時代はアイドルからB‘zやX JAPAN、DREAMS COME TRUEといったアーティストへ移行していった。野村さんにとって、冬の時代が訪れたと言えるだろう。

「バンドが活動休止になり、その後で事務所も退所しました。この先どうしたものかと思案し、いったん中野の実家に帰ることにしました。すると父から、“ここは、お前が戻る場所じゃない”って言われたんです。

 父の実家は代々続く和菓子屋ですが、父は和菓子屋を継がずに自分が好きなオートバイ屋を起こしました。自分が好きなことを貫いて生きてきたから、僕のことも見透かしていたんでしょうね。僕が、バイクよりも音楽、ギターが好きだってことを。だから、“お前には継がせない”とはっきり言ったのだと思います。まあ、姉や妹も含め、家族で二輪免許の限定解除してなかったのが、僕だけだったからかもしれませんけど(笑)。