“学生時代のいい思い出”で結成し、今年で35周年
YO‐KING 「当時はバンドブームだったから、その対抗というかシャレでフォークの番組の企画を立ち上げたんだと思います。たまたま俺はフォークソングが好きだったし、審査員がかまやつひろしさんだったのも大きかった。それで、にわか作りで組んだのが真心ブラザーズです。その勝ち抜き番組のためだけに組んだつもりだったから、ある意味、その場のノリの宴会芸みたいなものとして始まったんです。ずっとやっていくなんて思ってもみなかったんですよね」
桜井秀俊 「当時、僕は大学3年で、“学生時代のいい思い出”くらいにとらえていました。そもそも、各々で別のバンドを組んでいたし、僕らが所属していた大学の軽音サークルには、ライブハウスをどこでも満杯にするようなすごいバンドや、面白い個性を持つ先輩方がたくさんいたんです。10週勝ち抜きは確かに嬉しかったけど、先輩方を見ているとありえないことではないなと。逆にレベルの高いバンドをたくさん見て目や耳が肥えていたから、自分たちがプロになるとは想像もしていませんでしたね」
YO‐KING 「うん。当時はバンドブームで、わりとデビューしていく人たちもいたんですよ。俺らの場合、そうじゃないところで勝ち抜いていって、その先になし崩し的に“レコード、つくる?”みたいな話になって。1枚作ったらまた1枚みたいな感じだったんですよ」
桜井秀俊 「そうそう。僕は音楽が好きだったから、大学卒業後はレコード会社に就職したいなと思っていたんです。だから、“卒業前に職場見学させてもらえるな”みたいに思ってましたね」
YO‐KING 「お互いに35年やるぞっていう風に組んだわけじゃない。そのゆるやかなグラデーションがかえって良かったんじゃないかなって思いますね」
ソファーにゆったりと腰掛け、リラックスした雰囲気を醸し出しながらインタビューに応じる2人。肩に力を入れすぎず、それでいて、しっかりとした軸を感じさせる静かな強じんさも感じさせる。この“ゆるぎなさ”と“ゆるさ”による、唯一無二のハーモニーから生み出される2人の世界観に、多くの人は魅了されるではないだろうか。
真心ブラザーズ
1989 年、 大学在学中、音楽サークルの先輩であるYO‐KING(1967年7月14日生まれ、東京都出身)と後輩の桜井秀俊(1968年6月6日生まれ、広島県生まれ神奈川県育ち)で結成。バラエティ番組『パラダイスGOGO!!』内の“勝ち抜きフォーク合戦”(1989年・フジテレビ系) で10週連続を勝ち抜き、同年9 月にシングル『うみ』でデビュー。’90年の『どか~ん』がヒットとなり、人気アーティストの仲間入りを果たす。同年発売の『サマーヌード』は当時にヒットしただけでなく、’13年に放送された山下智久主演のドラマ『SUMMER NUDE』(フジテレビ系)では本楽曲をモチーフとして制作されるなど、夏の定番人気曲となっている。コンスタントに作品を発表し、ライブツアーを重ねている。’24年11月4日の神奈川県「SUPERNOVA KAWASAKI」を皮切りに、新アルバムを携えた全国ライブ・ツアー『SQUEEZE and RELEASE』を開催する。
◆リリース情報
19th ALBUM 『SQUEEZE and RELEASE』
【デビュー35周年記念盤】
2024年9月21日(土)発売
コロムビアミュージックショップ及びライブ会場限定販売 1000セット限定
9000円(税別)
CD、ブロッカー・フィギュアトイ、Tシャツセット ※オリジナルビニールケース収納
【通常盤】
通常盤は2024年10月9日(水)発売
3000円(税別)