1988年、田中裕二とのお笑いコンビ『爆笑問題』としてデビューし、お笑いタレント、司会者、作詞家、文筆家、川柳作家として活躍の場を広げ続ける太田光。彼の「THE CHANGE」とはーー。【第2回/全2回】

太田光 撮影/柳敏彦

 5月に『芸人人語』(朝日新聞出版)を出版しました。これは『一冊の本』っていう雑誌に毎月、原稿を書いていて、その原稿が溜まったので出版となりました。

 仕事の合間、合間に書いていて、常にパソコンを持ち歩いていましたね。締め切りに間に合ったことは一回もない(笑)。「今日、入稿しないと落ちます」って怒られながら、必死に書いていました。その時々に話題になっていることをテーマに、自分が考えていることを書いているんだけど、ここ数年はコロナ、戦争、安倍晋三前首相の事件、旧統一教会、ジャニーズと、本当にいろいろと大きな出来事があって、ネタに困るってことはなかったかな。

 さまざまな意見がある時事問題で、自分の考えを発言することに対して、「すごく勇気がありますよね」ってよく言ってもらえるんだけど、ただオレが発言しているときって、まさかそんなに反発をされるとは思ってないんだよね。だから“勇気”とは自分では思っていない。「こうなんじゃないの?」って言ったことが、「何を言っているんだ!」みたいな感じになってしまう(笑)。

 あと、「勇気がある」と同じく、オレのことを「強い」って言ってくれる人もいる。高校時代、友達が一人もいないのに、学校に通い続けたことを、よく話しているから。自分ではあまり意識はないんだけど、自分の性格として、頑固というか、意地っ張りではあるとは思うかな。

 高校生のときも、「ほら、見ろ。やっぱりあいつ友達がいないから学校をやめちゃったよ」って思われたくない。勝手にそう思っていたんですよ。

 別にオレみたく意地を張らなくてもいいし、苦しかったら学校を休んでもいいと思うし、辞めたっていいと思うんだけど、当時のオレは「ここで休んだらオレの負けだ」っていう意地があった(笑)。