若い子から海外の人まで自分を見てくれている人たちがいる

 具体的にはどんな気づきがあったのだろうか。

「瞑想で1週間ずっと頭に妹のことが浮かぶことがあって、“私、妹のことをずっと考えてるんだ”ということに気づくんです。“妹がこうなればいいのに”“こうしたらいいのに”“お姉ちゃんだから守りたい”みたいなことを考えてるんですよ。でもそれって執着じゃないですか。私、これは良くないなと思ってそれを呼吸と一緒に手放すというか。そんなに考えなくていいよ、というふうにどんどん手放していったときに、すごく穏やかな気持ちになるというか、ホッとできる感覚になったんです。瞑想と出会ったのは自分にとってのビッグチェンジかな、と思ってます」

 そして、「これもCHANGEかな」と付け加えてくれたのがーー。

「最近、いろんな人が応援してくれてることを感じることが増えました。それがすごい嬉しくて、こんな応援してくれてるのか、もっと自分の力を発揮しようっていう感覚になってます。普通に声かけられることも多くて、若い子から海外の人まで、自分が思ってた以上に自分のことを見てくれてる人っているんだなということに気づけて、それが私の原動力にもなってます。これもビッグチェンジかな」

 自分と向き合ううちに、穏やかな気持ちになったという水原さん。東京とLAの生活も、俳優の仕事やファッションの仕事もすべてを行き来して、毎日を輝かせている。次に水原さんの心が向いていく場所も楽しみだ。

水原希子(みずはら・きこ)
1990年10月15日アメリカ生まれ、日本育ち。モデルとしてキャリアを積み、ニューヨーク、ミラノ、パリのファッションウィークでも活躍。『ノルウェイの森』(2010/トラン・アン・ユン監督)で役者デビュー。『進撃の巨人』(2015/樋口真嗣監督)、『奥田民生になりたいボーイ出会う男すべて狂わせるガール』(2017/大根仁監督)ではヒロインを演じた。『あのこは貴族』(2021/岨手由貴子監督)で、第35回高崎映画祭にて最優秀助演俳優賞を受賞。女優としても存在感を放っている。

●作品情報
『徒花―ADABANA―』
監督・脚本/甲斐さやか
出演/井浦新 水原希子
三浦透子、甲田益也子、板谷由夏、原日出子/斉藤由貴永瀬正敏ほか

10月18日(金)よりテアトル新宿他全国順次公開
https://adabana-movie.jp/