俳優・和田正人の活躍は幅広い。朝ドラ『ごちそうさん』ではヒロインにかなわぬ片思いをする幼なじみを熱演。陸上競技の経験から『陸王』(TBS系)ではベテランマラソン選手を演じたり、箱根駅伝のゲスト解説者を務めたりしている、俳優・和田正人さんの「THE CHANGE」-転機となった瞬間に迫る。【第2回/全4回】
和田正人さんは6月30日公開の映画『オレンジ・ランプ』で、貫地谷しほりさんとダブル主演を務める。和田さんは39歳で若年性認知症と診断された只野晃一、貫地谷さんは晃一の妻・真央を演じている。同作は39歳のときに若年性認知症と診断された丹野智文さんの実話をもとにしているのだが、和田さんは今回どのようなことを意識していたのだろうか。
「正直、“認知症をどう演じようか”というのはほぼ考えたことはなくて。大事にしたかったことは、家族。僕も結婚して子供もできて……『オレンジ・ランプ』の撮影のタイミングではまだ第2子はいなかったんですけど、第2子も生まれて。
少しずつ父親というものが何なのか、家族というものを僕自身がこういろいろ実感していく中で、『オレンジ・ランプ』は若年性認知症も題材にしてますし、向き合い方も割と新しい切り口だと思います。でも、家族の絆がいちばんの大きなテーマだなと思って、家族や妻とのやりとりというものが僕は大切だなと思って。
見てる人たちにほっこりしてもらったり、時になんかぎゅっと心がつかまれるような苦しさを感じたり、というようなことをしっかり届けられるように演じられたらいいな、と意識しました」と、和田さん自身にお子さんが誕生したことも役作りに影響していると明かした。