2022年の『M-1グランプリ』優勝以来、さまざまなバラエティで活躍するウエストランド・井口浩之。ツッコミはもとより、愚痴と文句を言わせたら右に出るものがいない口達者ぶりで、仕事は引きも切らない。その文句言いぶりゆえに見落とされがちだが、実はウエストランドはデビュー間もない頃からテレビで着実に結果を残してきた駿才でもある。これまでの芸人人生で井口が感じた、「THE CHANGE」とは――。【第3回/全5回】
2011年4月23日、念願だった『オンバト+』(NHK)で初挑戦・初オンエアを勝ち取り、初めてウエストランドのネタが地上波で流れた。そのすぐ後から、当時井口が書いていたブログのコメント欄がにわかに騒がしくなる。
「もう、大悪口だらけ。“つまらない”“ツッコミが下手くそ” “あれでオンエアって、ふざけんな”って、めちゃくちゃ言われまくってました。誹謗中傷の嵐ですよ。僕らコンビに対してっていうより、僕個人がめっちゃ言われてて。“ボケのやつはいいけど、ツッコミの小さいやつがダメだ”とかね。なんの見る目もない……今そいつら、どう思ってんだ(笑)」
今となっては悪態もつけるが、このときはショックが大きかった。そもそも井口自身が放送開始当初から『爆笑オンエアバトル』を観続けてきた番組ファンだったからだ。
「僕もそっちの仲間のつもりでいたのに、出る側に回ったら叩かれた。これは芸人になってからというか、人生でいちばんつらかったですね。そもそも、知らない人から叩かれたのも生まれて初めてだったんで。ある意味、そこで耐性はついたのかもしれないですけど」