西郷輝彦から還暦手前に受け取った「60代は最高だぞ」の意味
現在、63歳。体力的にキツいなと感じることも増えてきたというが、60歳を迎える直前に先輩俳優から言われたことが支えになっているという。
「2020年に西郷輝彦さんとドラマでご一緒したときに、オレが来年60歳になると言ったら“60か、若いな! 60代は最高だぞ”とおっしゃったんですね。
で、“どういうところが最高なんですか?”と尋ねたら答えてくださったんですけど、当時はコロナ禍真っ只中で、お互いフェイスシールドやらマスクやら付けて距離を取っていたもんだから、全然聞こえなくて(笑)。あとで教えてもらったところ“培ったものを全部出せる世代なんだ”と」
西郷輝彦さんは、その2年後に75歳で他界。しかし、受け取った言葉は、遠藤憲一の中で生き続けている。
「いま、『民王R Inspired by 池井戸潤』でたくさんの人たちと入れ替わる役に悪戦苦闘していますけど、俳優として培ってきたものを全部出せる役だと思うんです。60代でこの役に全力投球してやり遂げることができたら、70代、80代になったときに“充実した役を演じさせてもらった”と振り返ることができるんじゃないかなと思っています」
『民王R Inspired by 池井戸潤』の第1話は、60代の武藤泰山が、政治家として引退決意したところからスタート。
「泰山とオレは同年齢なので、政治家を辞めるっていうのはちょっと早いなと思いましたよね。まぁ“ここからは楽しんでいこう”という気持ちはわからなくはないですけど」