渋い表情で決めると迫力満点の強面なのに、ニコッと笑うと誰もが「エンケンさん!」と声をかけたくなる俳優、遠藤憲一。多面的な魅力を縦横無尽に使い分ける彼が現在取り組んでいるのは、心と身体が“全国民”と入れ替わってしまう、総理大臣・武藤泰山役だ。9年前の2015年に放送されて大人気となった『民王』(テレビ朝日系)の続編『民王R』に挑んでいる、遠藤憲一のTHE CHANGEとは──。【第4回/全4回】
2024年は、9年ぶりの『民王R Inspired by 池井戸潤』武藤泰山役と、もうひとつ、なんと30年ぶりに同じ役柄を演じることになった、1994年に放送されたスーパー戦隊シリーズ『忍者戦隊カクレンジャー』の悪役・貴公子ジュニア役だ。
「放送から30周年ということで『第三部・中年奮闘編』っていうのを、配信でやったんですよ。ニンジャブラック/ジライヤ役のケイン・コスギくんをはじめ、カクレンジャーは全員オリジナルメンバー。楽しかったですね」
シリーズが放送されていたころ、遠藤は30代。ヘビメタ風の衣装に身を包んでギターを抱え、ノリノリで悪役を演じたというが……。
「今回あの衣装で、ちょっとだけだけど、アクションがあったんですね。しかも、撮影したのは真夏の倉庫。何度かやっているうちにクラクラしてきちゃって。30年前も、そんな条件の撮影はあったけど、さすがに60歳を超えた俳優がやるのはしんどかった(笑)」