「娘は私にとっては光でしかないんです」
──娘さんがご病気じゃなかったら、また違う人生を歩んでいた?
「それはすごく思いますね。彼女が彼女の状態でいてくれるから、こんなに子供と向き合うことが出来るんだろうなっていうのは本当に思っているんです。病気でなかったら、当たり前に育っていくんだろうってどこかで思ってしまっていて、彼女任せであったり、人任せであったり。そういう部分ってあるんだろうなって思うんです。まして、これからこういうことをやりたいんですってプレゼンするなんてもっての外で。たぶん、今でもやっていなかったでしょうし、本当に全然違っていたと思います。誰かのことを頼ることが当たり前で、何とかしてくれないことに対してストレスや不満を感じて、この先も行ったのかなって思うとちょっと怖いですよね」
ふうかさんと向き合うことで自身も生きることの意味を見出した。
「元々、私自身が“生きるとは、どういう意味があるんだろう”とか、そんなことを考えるような人間ではあったんです。これから彼女が抱えていかなくちゃいけない時間というものを考えると、私はどこまで傍にいてあげられるのかなって思うんです。それは今はまだ試行錯誤の最中ですけど、現実として今あるから、これは変えられない。だったらこれから如何に楽しく明るく生きていくかしかないよねって。娘は私にとっては光でしかないんです。こう言ってしまうと娘にとって負担になってしまいそうで嫌なんですけどね」
フランスの作家、ヴィクトル・ユーゴーの言葉に『女は弱し、されど母は強し』というものがあるが、星野さんを見ているとその言葉が浮かんでくる。星野さんとふうかさんにはこれからも数多の試練があるだろう。しかし、星野さんならば、それを乗り越えられだけの逞しさがあるに違いない。『試練は乗り越えられる者にしか訪れない』ともいうじゃないですか。
星野真里(ほしの・まり)
1981年7月27日、埼玉県生まれ。O型。T156㎝。幼少の頃から児童劇団に所属しCMやテレビドラマに多数出演。2005年に公開された映画『さよならみどりちゃん』で映画初主演を果たし、第27回ナント三大陸映画祭で主演女優賞を受賞。近作に、『ビリオン×スクール』、『全領域異常解決室』などのドラマや『新生!熱血ブラバン少女。』などの舞台がある。
●作品情報
ドラマ『きみの継ぐ香りは』
https://s.mxtv.jp/drama/kimitsugu/
【放送日時】 毎週金曜よる9時25分より放送中<TOKYO MX>
【配信情報】民放公式テレビ配信サービス「TVer」にて2週間無料見逃し配信
【出演】 星野真里 加藤ローサ
今井柊斗 滝澤エリカ 朝日奈まお 池田良 武田航平 / 原日出子
【監督】 石橋夕帆
【脚本】 下亜友美
【音楽】 近谷直之
🄫 小川まるに/シーモアコミックス 🄫 TOKYO MX