国民的アイドルグループ「SMAP」から、1996年にオートレーサーへ転身した森且行。翌年デビュー戦で勝利すると、さらにその翌年、新人王に。2020年には40代にして「メンバーとの約束だった」悲願の日本一を達成。しかしそのわずか82日後、生命の危機すらあった落車事故による大ケガを負う。チェンジの連続のような人生。奇跡の復活を遂げ、現在もリハビリを続けながら“6色に彩られた星”が輝くヘルメットで走り続ける森さんが、自ら語るTHE CHANGEとは――。【第4回/全5回】
子どもの頃、森さんは兄の久典さんとともに、父に連れられてオートレース場に行き、レーサーがゴレンジャーのようにかっこよく走る姿に魅せられた。その後、両親の離婚による苦労も経験しながら、中学生のときに芸能事務所入りし、SMAPのメンバーに。中心的存在として活躍するも、22歳のときグループから脱退。幼少期からの夢を叶えた。
――改めて、オートレーサーとして初めてレースでオーバル(楕円形のコース)を走ったデビュー戦での気持ちを教えてください。
「あのときは、本当にすごかったですね。とにかくファンのみなさんの数が。スタートラインについたとき、今まで見たことのない人数が見えました。僕がお客さんで行っていたときも、こんなには入ってないだろうという数で。正直、かなりビビってましたけど、ヘルメットをかぶってスタートラインについた瞬間、“こんなに応援してくれてるんだから、絶対勝たないとダメだ”と」
そして1着でゴール。
「やっとオートレーサーになれた。やっと夢が叶ったんだという気持ちでいっぱいでした。それ以上に、あの観客の多さには度肝を抜かれましたけど(笑)」