SNS時代に「紙」の情報を重視する理由

 SNSから情報を得る時代に変わったいま、新川さんが懸念するのは、「フェイクニュースと、ポスト・トゥルースの流れ」だ。扇情的なタイトルなどで煽る数字至上主義のフェイクニュースを、疑いもせずに受け入れてしまう人も多い。

「“バズれば真実はどうでもいい”という世の中において、スピードが遅くなってもきちんとした内容のものを伝える行為は、相対的に価値があがるんじゃないかという気がします。書いたそばからパッと出すのではなく、何度も読み直して、何人もの目を通り、何か月もかけて出るような文章を、大事にしたいなと思っています」

新川帆立 撮影/松野葉子

 現在『縁切り上等!-離婚弁護士 松岡紬の事件ファイル-』(新潮社)を発売したばかりの新川さんだが、今後の作品の構想は、いまからじっくり時間をかけて、脳内で練っているようだ。

「そのうち書きたいと思っているのは、ファンタジーです。今は自分の属性、年齢や職業などに近いものを書いて、少しずつ領土を広げている時期といいますか。ファンタジーを書くなら、魔女裁判を書こうと思っています。やっぱりリーガルを絡めたファンタジーを書きたいんですよね。そうじゃないと現実的にも、出版社も動いてくれないし、読者さんも食いついてくれないところなんですよねえ」