シリアスからコメディまで、幅広い作品で唯一無二の個性を放つ俳優、小倉久寛。劇団『スーパー・エキセントリック・シアター』の旗揚げから45年間、三宅裕司と共に歩み続けてきた小倉久寛のTHE CHANGEとは──。【第3回/全4回】
小倉久寛と三宅裕司による10年ぶりのコントライブ『小倉久寛生誕70周年記念コントライブ ザ・タイトルマッチ3 お楽しみはこれからだ〜You ain‘t heard nothin’ yet〜』が、2025年2月21日から3月2日まで新宿の紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで開催される。
「コントじゃないんですけど、劇団『スーパー・エキセントリック・シアター』の本公演では、初期のころからぼくと三宅さんの2人でかけあいをするシーンがあるんですよ。台本には、おおまかな流れだけが書いてあって、ほぼアドリブで進行するんです。
基本的には、三宅さんがぼくをいじり倒して(笑)、ぼくはそれにボケるというか……翻弄(ほんろう)されるわけなんですけど、そういうシーンを作ってくれたことが、何よりも嬉しかったし、俳優・小倉久寛のベースになっていると思いますね」
芝居と、コント。似ているようで、まったく違うようにも思えるが……。
「そう、似ているけど、同じではない。そこがおもしろいところであり、難しいところです。お芝居の場合は、舞台に出てきてセリフを言ったりしているうちに、だんだんその役がどういう人間かというのがわかってくるんですけど、コントの場合は出てきた瞬間に“この人は、こういう人なんだ”というのをお客さんにわかってもらわなくちゃいけない。だから、ギュッと凝縮されている感じがしますね」