染谷将太さんが今後演じてみたい役は?
――そういえば以前、古田新太さんにインタビューした際「壁」役もやったことがあると仰っていましたよ。
「古田さんなら壁もありそうですね(笑)。でも、顔が出ない役はずっとやってみたいと思っているんです。例えば、ずっとお面を被っていて自分の顔が一切出ないような。
以前、映画『3月のライオン』(2016年)という作品に出演した時、特殊造形で体型を変えた経験はあるんです。たぶん顔も、見た方は自分だと気づかないようなメイクだったんです。表情は出ていたので、表情も全く表に出てこない役をいつかやってみたいなと前から思っています」
――声優とはまた違って、ご自身が出演しつつも表情で表現できない分、芝居のやり方を考えないといけないのはかなり難しそうですね。
「そうですね。でも、ある種、顔や表情が表に見えているよりも顔が全く見えない分、演じる方も見ている方も、ものすごく想像力が湧くと思うんですよ。なので、いつかそういう役どころをやってみたいです」
破天荒な人物から、はっちゃけたキャラクターまで、様々な役を演じてきた染谷さんだが、特筆すべきはその「目」にあると思う。怒りや堪えきれない悲しみといった激しい感情から、切なさなど複雑で繊細な感情まで、目の動きひとつで表現し、見る者に強く訴えかける。今回の撮影でも、カメラマンから「レンズを睨む様に」といったリクエストがあった際、一瞬にして空気が変わった。そんな染谷さんが魅せる目の表情に、これからも注目していきたい。
取材・文/根津香菜子
ヘアメイク/光野ひとみ、スタイリング/林道雄
そめたに・しょうた
1992年9月3日、東京都生まれ。9歳のときに『STACY』で映画デビューし、数々の作品に出演。2011年には映画『ヒミズ』で第68回ヴェネツィア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞。近年の主な出演作品にドラマ『風間公親-教場0-』、『CODE―願いの代償―』、映画『陰陽師0』、『違国日記』、『若き見知らぬ者たち』などがあるほか、待機作に、映画『はたらく細胞』(12月13日)、『聖☆おにいさん THE MOVIE ~ホーリーメンVS悪魔軍団~』(12月20日)が控える。
「劇場版ドクターX」(https://doctor-x-movie.jp/)
監督: 田村直己、脚本: 中園ミホ、出演:米倉涼子、田中圭、内田有紀、今田美桜、勝村政信、鈴木浩介、岸部一徳、染谷将太、西畑大吾、綾野剛、遠藤憲一、西田敏行ら。
12月6日(金)より全国公開中