1995年に『夢見る少女じゃいられない』で鮮烈なデビューを果たし、ボーカリストとして走り続けている相川七瀬。その一方で、3人の子どもたちを育てながら、45歳で國學院大學神道文化学部に入学。現在は同大学院生として民俗学の研究にいそしんでいる。パワフルに人生を突っ走る、相川七瀬のTHE CHANGEとは──。【第3回/全4回】

相川七瀬 撮影/冨田望

 2025年にデビュー30周年を迎える相川七瀬には、たくさんの転機があった。
中学3年生のときに受けたオーディションで、不合格。そのときに審査員を務めていた織田哲郎との再会と、デビュー曲『夢見る少女じゃいられない』の大ヒット……。

「どの瞬間も、ひとつでも欠けていたら、いまの私はいないと思いますが、シンガーとして最も大きな転機は、’16年の伊勢神宮での楽曲奉納と歌唱奉納でした」

 三重県伊勢市にある伊勢神宮には、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祭る皇大神宮(内宮)と、豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祭る豊受⼤神宮(外宮)があり、相川は両方の宮で『ことのは』『僕らのEndless Dream』『恋心』『夢見る少女じゃいられない』の4曲を奉納した。

「歌いながら、すごく不思議な解放感がありました。何と言ったらいいのか……身体も心もどんどん解放されて、とても自然に声が流れ出ていく感じ……私ってこんなに軽やかに歌えたんだっけ? と、自分で自分に驚いたことを、はっきりと覚えています」