“伊勢神宮の式年遷宮”を見据えて、これからも歩き続ける
それまでの相川七瀬は、自らの思いをパワフルにぶつけるシンガーだった。だからこその迫力がある一方で、喉を痛めることが多く、自分をコントロールすることが難しいと感じていたという。
「お客さんの方に向かないで、神様にだけに向かって歌う──。それは、圧倒的な体験でした。それまで積み重ねてきたものがきれいに重なって、“私はこれからもこうやって生きていくんだ”という思いに満たされました」
歌うことにも、生きることにも迷いがなくなった。
この出来事は、“赤米”の活動を本格的にスタートし、大学受験を目指して高卒認定試験に向けての勉強を始めた時期と重なる。
「音楽面では、’11年の東日本大震災のときに作った『今事記』というアルバムがあったから、伊勢神宮奉納全国花火大会に書き下ろした『僕らのEndless Dream』と『太陽と月の結び』につながり、昨年リリースしたアルバム『中今』が生まれ……と、大きな流れがあるわけなんですけど、その中心に、神宮でのあの奉納があると思っています」
相川七瀬にとってロックは“幹線道路”。そして、一連の精神的な楽曲は“もうひとつの道”なのだという。
このふたつの道がひとつになるときは、やってくるのだろうか?
「伊勢神宮には、20年ごとに社殿と神宝をすべて新しくして、大御神に新宮へお遷りいただく、式年遷宮という儀式行事があるんですね。次の第63回は’33年で、私は58歳。おそらく、ここで私自身も新たなステージに入り、60歳になったときに、“幹線道路”と“もうひとつの道”の音楽が交わってくるのではないかと考えています」
(つづく)
相川七瀬(あいかわ ななせ)
1975年2月16日生まれ。大阪府出身。1995年に、織田哲郎プロデュースによる『夢見る少女じゃいられない』でデビューし、大ヒット。『BREAK OUT』『恋心』『トラブルメイカー』とヒット曲を次々と世に送り出し、現在までのCDトータルセールスは1200万枚を超える。’20年に國學院大學神道文化学部を受験し合格。現在は同大学院に在学。’25年にデビュー30周年を迎えるにあたり、’24年11月6日にミニアルバム『SPARKLE』をリリース。
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2.8(土) Billboard Live YOKOHAMA
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■相川七瀬 ROCK KINGDOM TOUR 2025
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