転機が訪れたのは中学2年の時。大学は心機一転、津田塾大へ!

「中学生になって初めて英語の教科書を手にしました。すでに洋画が好きになっていたので、“映画で聞くあの言葉を学べる”とドキドキしたのですが、“a,b,c,”をなぞって書いたり、“This is a pen.”のような例文を読んだりするだけで失望つづき……。
 ところが中学2年のときに出会った先生の授業レベルが高く、短いフレーズを使って作文をする和文英訳の宿題を必ず出してくださったんです。“この勉強は面白い”と、嬉しくて辞書をひっくり返して張り切りました」

 幸いにも中学2年生で出会った先生のおかげで一気に英語好きに。逆にその先生に出会わなければ現在の戸田奈津子はなかったのかもしれないのだから、戸田さんにとっての「THE CHANGE」といえるだろう。英語の面白さに目覚めた戸田さんは、幼稚園から高校まで通ったお茶の水女子大ではなく、受験して津田塾大の英文科に進学した。

「ずっと同じところに通っていると飽きるでしょ(笑)。外へ出たかったのです。当時、英文科が優秀な学校は東京女子大、聖心女子大、津田塾大あたりで、結局津田塾に行くことに。それなりに受験勉強もしましたよ。とはいえ、徹夜をしてまで頑張ってはいません。私は学生の時も仕事を始めてからも今までの人生で1回も徹夜をしたことがない。まぁ飲んで朝帰りというのが数回あったけれど(笑)。どんなに受験勉強が切羽詰まっていても、仕事に追われていても、翌日の能率がかえって落ちるので、徹夜はしませんねぇ」

 大学時代は映画ばかり観て過ごしていたと少し表情を緩めながら懐かしそうに語る。当時はご多分に漏れず、『ローマの休日』でオードリー・ヘプバーンの妖精のような美しさにため息をつき、『エデンの東』のジェームズ・ディーンに感情移入……、映画にどっぷり浸かった学生生活を送り、字幕翻訳者を志すようになったという。