『必殺仕事人』シリーズの〝飾り職人の秀〟や、『太陽にほえろ!』の〝ジプシー刑事〟をはじめとする人気ドラマで一世を風靡し、71歳となった現在も渋い二枚目俳優として活躍する三田村邦彦のTHE CHANGEとは————【第4回/全4回】

三田村邦彦 撮影/有坂政晴

 俳優を目指して家出同然に上京し、劇団青俳に入った三田村邦彦は、作家・村上龍が原作、脚本、監督の映画『限りなく透明に近いブルー』で主役デビュー。時代劇『必殺仕事人』にレギュラー出演するなど、順風満帆の俳優人生がスタートしたかと思われたが……。

「時代劇とはいえ、金をもらって人殺しをする役がイヤで、番組を降りようと思いました」

 そんなとき、主役の〝中村主水〟を演じていた藤田まことが三田村に声をかけた。

「藤田さんは、ぼくのことを『ミーちゃん』と呼んでくださっていて、『ミーちゃん、なんでやめるねん?』と。そこで、人殺しの役はこれ以上続けられないと言いました。そうしたら、こんなふうに言ってくれたんです」