撮影に入る前に出来る限りの個人練習はしました

 撮影に入る前までの準備についてうかがうと、村重さんのこの作品にかける意気込みが伝わってきた。

「出来る限りの個人練習はしました。初めての主演とはいえ、名前だけで来てるとは思われたくなかったので、お芝居をしたことがないなりに、意外とできるんだねって最低限思われるように、というか。台本をもらった日から毎日のように読んでましたし、どんなときも台本を離さなかったです。あとは、練習する相手もいなかったので、自分で自分以外のセリフを録音して、セリフの練習をするというのはずっとやってました」

 そうした積み重ねがあっていざクランクイン。撮影現場入ってみると思っていた空気感とは違ったという。

「まず現場に入って感じたのはとても和気あいあいとしてるなぁって。もっとシリアスな雰囲気なのかなと思ってビビってたんですけど、そんなことはなくてそこは救われたところでもありました。メンバーも同世代の子たちが多かったので、会話も最近のトレンドの話をしたり、緊張の中でも息抜きができる時間もあったので頑張れましたね。
 撮影が始まると、本当に智樹(役の太田将熙さん)と相談して、こうしたほうがいい、ここはこういう心境じゃない?と確認しながら進めることができて、心強かったです。ただ、日名子(村重さんの役名)は最初のほうはあまり気持ちを出さないので、微妙な表情や行動で示すことが多く、それをサラッと出すことが難しかったんですよね。意識してやると硬くなってしまうところもあって、そこは苦戦しました。前半のシーンはアドリブもたくさんあって、(松野友喜人)監督や共演者と相談しながら、台本を調整していく作業は楽しかったです」