1990年代、人気ファッション雑誌『JJ』の専属モデルとして華麗に活躍した梅宮アンナさん(以下、アンナさん)。昭和のスター俳優・梅宮辰夫氏とモデル出身のクラウディアさんが両親という、いまで言うところの生粋のセレブリティだ。
 人目を惹(ひ)きつける天性の魅力を備えたアンナさんは、プライベートも注目を集め、特に恋愛遍歴で世間をにぎわせた。タレントとして活動を続ける中、2024年、ステージ3Aの乳がんにかかっていることが発覚。同年8月に公表し、11月に手術を受けた。そうした貴重な経験談をカンファレンスなどで話すほか、SNSでも赤裸々に思いを吐露し、多くの共感を集めている。激動の人生を歩み続けるアンナさんの“THE CHANGE”に迫った。【第5回/全5回】

梅宮アンナ 撮影/曳野若菜

 2024年8月、浸潤性小葉がんという希少な組織型の乳がんにり患したことを告白したアンナさん。がん発覚の瞬間、ショックを受けるというより“とうとう自分の番が来たんだ”と感じたと述懐し、「50年生きてきて、これがやっぱり最大のTHE CHANGEですね」と教えてくれた。

 同年11月に手術を受け、現在は抗がん剤治療などを受けながら、日々思うことや経験値を自身のSNSやメディアを通して積極的に発信している。その思いについて、改めて語っていただいた。

「最初に医師から告げられたとき、なぜかわからないんですが、“順番が回ってきたな。選ばれちゃったのかな”って。だから、落胆はしなかったし、誰かのために役立つことをやったり、言わなきゃいけないんだなと感じたんです。
 同時に、これまでの価値観が一変する大きな出来事でもありました。物事の本質を追求していくことが当たり前になったというか。いままではグレーでやり過ごしてきたことも、白か黒かはっきりさせなきゃいけないなという気持ちが強くなりました。おかげで、望むものが明確になったし、付き合う人も変わってきましたね。だって、時間がもったいないじゃないですか」