「心から感謝できるようになったのも、この病気が私にくれた大事な気付き」

「2024年9月に、ニューモシスチス肺炎で入院したとき、死が頭をよぎりました。すごく心が弱っていたとき、食事に大嫌いなグリーンピースが出てきたんですよ。いままでだったら顔をしかめてすぐに取り除いていたと思うけど、そのときは“このグリーンピースは誰が作ったんだろう”“大切に頂かないと罰が当たるよね”って。そんなふうに一つひとつが心から感謝できるようになったのも、この病気が私にくれた、大事な気付きだと思います」

 日々、自分の内側と対峙(たいじ)し、大切な気付きを得ているアンナさん。そうした“人生で本当に大切なこと”を大切な人に伝えたいと、切に願っているようだ。
     
「人ってやっぱり、いろいろな経験して傷ついたりしないと、本当の意味で誰かに優しくなれないんじゃないかなって。娘の百々果のような若い世代は、失敗を恐れて経験することをあきらめていると感じ、残念だなって思います。効率を最優先しすぎると、なにか大切なものが見えなかったり、失っちゃうんじゃないかなって。そんな話をすると、“ママの時代とは違う”って一蹴されちゃうんですけどね(笑)。」

梅宮アンナ 撮影/曳野若菜

「百々果とは、性格がよく似ていると思います。お互いに一人っ子だから、ずっと一緒に居ると“一人になりたいモード”になるんですよ。だから、私を心配して帰国して一緒に暮らした3か月間は、お互いにとって結構大変で。口論も絶えませんでしたね(笑)。いまはまた離れて暮らしているので、良い感じです。治療が終わったら、アメリカに行って会うことになっているので、待ち遠しいですね。それが励みになっています」