中部電力のキャプテンとして、日本選手権で2011年から4連覇するなど、カーリング選手として大活躍。カーリング女子日本代表として、日本におけるカーリング競技の認知に、多大な貢献をした市川美余さん。
 引退から10年が過ぎ、現在は解説者として活躍する市川さんに、仕事に家庭に多忙な毎日のことから、カーリングに対する熱い思い、そして、人生における岐路、「THE CHANGE」について、話を聞いた!【第2回/全3回】

撮影/渡辺航滋(Sony α‐1)

 「お迎えまでの2~3時間が勝負」

 カーリング解説者であり、2児の母でもある市川さんにとって、競技シーズンである冬の毎日は、とにかく“時間との戦い”だ。
「下の子を幼稚園に送っていくのが朝9時で、いろいろと家事をしてお迎えまでの2~3時間が勝負です。その間に、試合を見たり、結果を追ったり、解説のための情報収拾をしています。お昼頃にお迎えに行ったら、そのあとはもう、家のことに追われています」
 目の回るような忙しさの中、夜のひとときを大切にしている。
「1日の中では、寝る前の時間が好きなんですよね。もう、すべてやることを終えて、子どもたちと“あとはもう寝るだけ”というときに、その日あったことを話したり、絵本を読んだり、キャッキャ騒いだり。早く寝て! とか言いながら、ワイワイしているのは私の中での“幸せの理想像”みたいなものに近くて。その時間が私は好きですね。
 子どもを寝かしつけて、私も一緒に寝るんですね。だから、だいたい8時とか、9時とかに寝ちゃうんです。なので、(夜中の)2時か3時に目が覚めて、そこからが自分の時間。その時間に、YouTubeとかをひとりで見るのも楽しいですね。朝5時になったらお弁当を作るので、そこまでの限られた時間ですけどね」
 深夜2時起きとは驚かされるが、限られた時間でテキパキとコトを進める彼女の姿が目に浮かぶようだ。