「どうしても生活は不規則に…」


 来年行われるミラノ・コルティナ冬季五輪に向け、冬季競技は予選や重要な試合が増える重要な時期を迎えている。カーリングも同様で、2月9日まで開催された日本選手権はもちろん、カーリングのシーズンである8月から4月頃まで、市川さんには、解説の依頼が数多くある。そんな中、市川さんは現役時代から一貫して“あること”に苦戦しているという。それは、情報収集だ。
「時差のある海外の試合の解説もあるので、どうしても生活は不規則になってしまうのですが、その辺は慣れました。でも、慣れないというか……、もともとプレーヤーとして“感覚派”と言われたりもしましたけど、データ収拾が苦手なんですよね。
 でも、今は配信が充実していて、海外ツアーの試合も見られるんです。カナダで開催されているグランドスラムは無料で配信されているので、とてもいいことだなと思っています。あとは、インタビューなど、選手個人に関する記事を読んで、情報を集めたり。くまなく見ているつもりではあります。解説の仕事は、とにかく情報がないとできないですし、カーリングもどんどんルールが変わっていきますし、情勢も変わっていきます。SNSでリサーチしつつ、最新の情報を追っていると、時間はアッという間にたってしまうんです」
 苦手だという情報収拾において、35歳の彼女はアナログ派だという。
「私は、紙のノートにまとめる派です。分かれますよね、タブレット派と」
 市川さんが引退したのは、2014年のことだった。