１９９５年にお笑いコンビ「ガレッジセール」を結成してから３０周年を数えるゴリには、２００６年にスタートさせた映画監督としての顔もある。こちらも実にキャリア２０年目。奥田瑛二を主演に迎えた長編『洗骨』（２０１９）では、第６０回日本映画監督協会新人賞に輝くなど、国内外で高い評価を得てきた。あるときはお笑い芸人、あるときは才能豊かな映画監督。運動神経バツグンでキュートなゴリエちゃんも忘れちゃいけない。さまざまな顔を持つゴリさんのＴＨＥ ＣＨＡＮＧＥとは──。【第５回／全５回】
一般的に吉本興業のお笑いタレントとしてのイメージが強いゴリさんだが、学歴は日本大学芸術学部映画学科演技コース中退。もともと、俳優になりたいと思っていた。それが人気お笑い芸人へ。しかしひょんなことから、“映画”の道へと再び縁が交わる。
──これまでを振り返って、人生の大きなチェンジはいつになりますか？
「最初のチェンジは２００６年に初監督をした『刑事ボギー』になりますね。僕がこの世界に入ったきっかけは演者になることだったから、裏方になりたい希望はなかったわけです。それが、僕が日芸の映画学科出身だということで“映画を撮ってみないか”と声がかかって短編を撮ることになりました」
※『刑事ボギー』はショートショートフィルムフェスティバルで話題賞を受賞
──いざ、監督してみたら楽しかった？
「それが、あまりにもキツイ仕事で。当然、いろいろな人に指示を出せるだけの知識がなきゃいけないし、バイタリティもなくちゃいけない。“もう二度とやらない！”と思ったんです。けどね、撮影したものを編集して、実際に作品が完成してみたら、これまでに経験したことのない、味わったことのない喜びがあったんです」
