かつてカリスマ読者モデルとして名を馳せ、現在はモデル、タレント、実業家として活躍中の益若つばささん。テレビ出演するたびに「激変!」などの見出しがネットニュースに躍るが、益若さんの人生は柔軟なTHE CHANGEに満ちていた。【第1回/全5回】

益若つばさ 撮影/松島豊 スタイリスト/亘つぐみ@TW

 フィッティングルームから撮影場所へとゆっくり歩く姿は、時が止まったかと思うほどの美しさだった。大きく開いたデコルテや華奢な肩回りは陶器のようにつややかに輝いている。思わず「きれい!」と声を上げてしまうと、「えっ」と本気で驚いた顔をして、「そんなこと、撮影であまり言われたことないですよ」と言う。

 現在、実業家としての存在感が際立つ益若つばささんがカリスマ読者モデルだったことは、平成を生きた女性なら誰もが知るところだろう。

 17歳のときに、ファッション誌『Popteen』のストリートスナップページに私服スナップが掲載されると、以降読者モデルとして登場、150cmの身長を最大限に生かしたファッションで読者の共感を集め人気を獲得した。私服紹介企画がたびたび組まれ、センス抜群かつ読者に寄りそったプチプラアイテムは多くのギャルを刺激し、「同じものがほしい」と渋谷109に買いに走るギャルが続出し、「つばさ売れ」という現象が起こった。

 鈴木奈々さんやみちょぱさんなど、後世に活躍することとなるギャルたちのロールモデルでもあるが、当時の益若さんには売れっ子ゆえの苦悩があった。

「読者モデルとして自分の中でやれることはすべてベストを尽くし、渋谷では誰もが知ってもらえるくらいになりました。渋谷に行くと人が集まりすぎて警察が出動する、というくらいになってしまい、当時の編集長に“土日は渋谷に行かないでくれ”と言われていました」