テレビ界では誰も益若さんのことを知らなかったが、それが新鮮だった

　２００７年末に結婚を発表。同時期に発売した、益若さんが表紙を飾った『Ｐｏｐｔｅｅｎ』は、売上４１万部という脅威の数字を記録している。そして２００８年１月発売号を最後に同誌を卒業、同年４月に第一子出産を報告した。２２歳のときだった。すると益若さんに、転機－－ＣＨＡＮＧＥが訪れた。

「雑誌を辞めて子育てが始まって、今度はテレビに呼んでいただけるようになったら、テレビの世界の方は当たり前ですが私のことを誰も知らないんですよ。“キミ、誰？　なんでそんなに人気なの？”となるから、益若つばさが誰なのかというところから説明するんです」

　そのうえ、外を歩いても「誰も自分のことを知らない」という現実も目の当たりにした。

「そういうことにショックを受ける方もいるかもしれませんが、私はすごく嬉しかったんです。またゼロから始めていいんだ、まだ自分を知らない人がいるからまた頑張っていいんだ、頑張ろうって」

ーーゼロからのスタートが嬉しかったんですね。

「はい。積み上げてきたものを一度壊してゼロに戻す作業が好きなんです。周囲は“あんなに絶頂期で辞めるなんてありえない”と言いますが、それが私の性格なんですよね」

　そこには、単なる破壊願望ではなく「次に良いものを作るためには、なにかをリセットしなきゃいけない、と思っていて。じゃないと大きいものが作れないから」という前向きなロジックがあった。

「今なら論理的にわかりますが、当時は素で、感覚でやっていました。手放したからこそいろんな方が助けてくれたり、背中を押してくれたりするし、毎日を全力で生きれば意外とみんな助けてくれるんです」

　恐るべき２２歳。現在にいたるまで実業家として辣腕を振るうのも、納得なのだ。

 

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靴、アクセサリー共に私物

ますわか・つばさ
１９８５年１０月１３日生まれ、埼玉県出身。高校生の頃から読者モデルとして雑誌『Ｐｏｐｔｅｅｎ』で人気を博し、ティーンのカリスマ的存在に。現在はモデル、美容関連商品のプロデューサーとして活躍。高校１年生の息子がいる。