「悔いのない生き方をしたい、と思うようになった」
ある夜、須藤さんが自室にいると、リビングから音楽が聞こえてきたことがあった。
「娘がひとりでね、パパのDVDを観ながら泣いていたんです。朝、泣き腫らした目をして起きてきて。そういうときも“昨日、観てたの?”なんてことは言わずに。ただそんな姿を見て、自分なりの乗り越え方で頑張っているんだなと思い、ほっとしましたね」
ーー須藤さんにとって、この6年間を経て、それまでのご自身ともっとも変化したことは、どんなことだと思いますか?
「悔いのない生き方をしたい、と思うようになったことですね。見送る側も、見送られる側も、そうであるといいなと思います。
夫は、ギリギリまで頑張って音楽をやりきったし、家族としても最後まですごすことができました。大変だったけど、本当に後悔がないくらい、ちゃんと過ごすことができたんです。だから、送る側も送られる側も、”いい人生だったな”と思えるように過ごさないとな、と思います」
一歩一歩、前を向いて歩く須藤さんの言葉は胸に響く。
■プロフィール
すどう・りさ
1976年7月24日生まれ。神奈川県出身。1998年放送『天うらら』ヒロイン役でドラマ初出演。ドラマ、映画、舞台、CM等で幅広く活躍。2016年に逝去した夫・BOOMBOOMSATELLITESの川島道行との間に07年生まれの長女、11年生まれの次女がいる。2023年は『パパとなっちゃんのお弁当』(日本テレビ系)、『ドラフトキング』(WOWOW)、『刑事7人 SEASON9』(テレビ朝日系)に出演。7月25日から8月2日まで東京国際フォーラムでのブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』にダーリング夫人役で出演。