トレンディドラマで現代的な女性を演じたかと思えば、姉の恋人を略奪する妹を演じ、さらに看護師長から徳川将軍の乳母、おとり捜査官に近年は母親役も……。俳優・松下由樹さんがこれまでに演じてきた役柄は、あまりに幅広い。1983年に映画『アイコ十六歳』でデビューしてから、今年で42年。さまざまな役に取り組んできた俳優人生、その折々の転機を聞いてみた。【第2回/全3回】

松下由樹 撮影/有坂政晴

 まさに俳優として脂の乗っていた2001年、松下由樹さんはバラエティ番組『ココリコミラクルタイプ』(フジテレビ系)に出演する。俳優がコントを披露することはそれ以前もあったが、あくまで俳優枠としての出演がほとんど。

 しかし松下さんは全力でコントに臨み、その振り切った姿と圧倒的な演技力が、大きな話題となった。数多くの作品に出演してきた松下さんだが、この『ココリコミラクルタイプ』への出演こそが、大きな転機だったという。

「もちろん、どの作品も私にとっては大きいものなんですけど、転機になったものというと、やっぱり『ココリコミラクルタイプ』なんです」

──出演に際して迷われていたと聞きました。

「お話をいただいたときは、役者としてのオファーだったので、そこには迷いはありませんでした。ただ、番組内でトークコーナーがあったり、やったことのないところがあったので、迷いというより不安はありました。そういう役割をうまくできるのかな、という。
 コントについては、見ている人を笑わせてくださいというオファーはなく、ちゃんと演じることを求められたので、そこはちゅうちょというより、新たな挑戦という感じでした」

──初めてのトークコーナーはどうでしたか?

「それがすごく楽しかったんです。コントも、役者としての力がつきましたし、本当にやらせていただいてよかったです」