野生で生きる“タカ”の人生から学んだこと

 そして、50代からの「CHANGE」を、タカの話になぞらえて語ってくださった。

「“姿を変えていく人ほど強い”という例として、タカの話を聞いたことがあるんです。タカって、年を重ねていくと、目も見えなくなるし、嗅覚も悪くなるし、爪も丸くなって、鋭さが欠けてくる。
 でもその中で、タカにはふたつのパターンがあって、ひとつは自分のプライドにこだわって外見を変えなかったタカ。それはもう死んでいく、と。もうひとつのパターンは、爪を岩で研いで丸みを出して、毛も自分でむしって、姿はタカらしくはなくなるんだけど、そこからはそれまでと違う生き方を求めるようになって、生き残る、と」

羽田美智子 撮影/有坂政晴

「“自身を変えることで、もうひとつの人生を歩むようになるんだ”という話は、とても象徴的で、これは人間もそういう面があるよな、って思ったんです。年を取って生き方を変えなきゃいけないポイントというのがあって、それが50歳ぐらいなのかな、というのは感じています」