脚本家・桑原亮子は、2022年下半期にNHKで放送された連続テレビ小説『舞いあがれ!』を執筆。福原遥をヒロインに迎え、赤楚衛二や高橋克典、永作博美、関ジャニ∞の横山裕、ピースの又吉直樹、高畑淳子など豪華なキャスト陣が集結し、ものづくりの街・東大阪と長崎県の五島列島を舞台に「空を飛ぶ」ことを追いかける人々の姿を描いた。
放送終了から約2か月後、作中の登場人物による詩歌が収められた「トビウオが飛ぶとき 『舞いあがれ!』アンソロジー」が発売されたことを機に、桑原さんの人生の「THE CHANGE」に迫った。【第1回/全3回】
今回、『舞いあがれ!』に登場する短歌から書籍が生まれた。桑原亮子さんは、脚本を書き始めたころ、「トビウオが飛ぶとき 『舞いあがれ!』アンソロジー」の出版は考えていたのかというと、「まったく考えていませんでした」と率直に明かす。
「脚本を書き終わってから、思いがけず出版のお話をいただきました。ドラマをご覧になっていた編集者さんが“画面に詩や短歌が映るたびに一時停止して書き留めました。これを一冊の本にしたいんです”とご連絡を下さって、その熱い想いがとても嬉しかったことを憶えています。
ただ私はまだ歌集を出した経験がなくて、ドラマの中で貴司くんの“歌作るのはしんどい、歌集出すのは大変”というシーンを描いたばかりでしたので、大丈夫だろうかという不安も少しありました」