数々のドラマ、映画でその個性的な演技を披露、現在も連続テレビ小説『あんぱん』(NHK)、『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』、『ソロ活女子のススメ5』に出演中の江口のりこ。今年2025年5月10日からは、舞台『星の降る時』の上演が始まっている。
 この作品の原作はイギリスで話題となった新作戯曲。生々しくも、どこかユーモラスでもある人間模様をどう演じるのか伺った。また、19歳のときにたたいた演劇の扉。その後の出会いや、転機の瞬間など、俳優・江口のりこの「CHANGE」も聞いた。【第2回/全3回】

江口のりこ 撮影/有坂政晴

 ドラマ、映画、さらには舞台と、数多くの作品に出演し続ける江口のりこさん。小学校高学年のころには「中学を卒業したら進学せずに仕事をする」と決めていたという。その「仕事」に、俳優業を選んだのは、何かきっかけがあったのだろうか。

「中学校の終わりぐらいだったと思うんですけど、毎日がすごく退屈で、NHKのBS(衛星放送)で放送していた映画をよく見るようになったんです。映画の中だといろいろなことができるんだな、すごく楽しそうと思ったんですよね。
 そこから憧れが出てきたというのはありました。他に“何かになりたい”と思ったことはあまりないので、意識としてはそのころから“俳優になりたい”、は固まってましたね」