柄本明から教わった“人として基本的なこと”
柄本明さんからは、さまざまなことを教わり、いまも学び続けていると話す江口さん。初期のころ、失敗続きのときに投げかけられた、忘れられない言葉があるという。
「失敗はよくしていたんです。すごく怒られたりしましたね。でも、そのときに柄本さんに言われたのが“あんたね、寝なきゃダメだよ”って。ものすごくシンプルなことなんですけど、それ以来、寝るようにしています(笑)。寝るとね、自信につながるんです。“昨日9時間寝られたから大丈夫”って。やっぱり寝てないと不安になるじゃないですか。だから大事です、寝るのは。
もちろん技術的なこと、演じるうえでのアドバイスもいただいてるんですけど、そこはむしろ自分で勝手に、“こんなふうにするのか、自分もやってみよう”と見て学んだ面が大きくて。それよりももっと、人として基本的なことを学んだ感じですね」

数ある劇団の中で「劇団東京乾電池」を選んだ理由について伺うと、江口さんらしい角度の答えが返ってきた。
「もちろんファンだったというのはあるんですけど、もっというと、岩松(了)さん(※東京乾電池で演出・脚本を手掛けていた)のセリフは恥ずかしくないな、って思ったんです。たまに他の舞台も見に行っていたんですけど、“この感じ、恥ずかしいな”と(笑)。乾電池だったらそういう恥ずかしいことはないだろう、ってそう思えたのが選んだ理由でしたね」