「決して順調ではなかった」

 山中が所属するM!LKは今年で結成10周年。高校生の時に加入し、青春時代をすべてM!LKの活動に捧げている彼がいま、これまでの活動を振り返り、まず最初に出てきたのは「決して順調ではなかった」という素直な言葉だった。

「グループであれば当たり前だと思うんですが、今日まで良い時もあれば悪い時もあって、決して順調ではなかったんです。ただ、みんなに認知されるような曲を作るということは僕らの目標だったので、今になってやっと、その1つの夢が叶いました。ただ、僕たちがずっと掲げている大きな夢はドームツアーなので、10年かかってやっと、1つ、階段を上ることができたのかなと思っています」

 彼がM!LKに加入したのは2018年の8月。その1年半後にコロナ禍が訪れ、思うように活動をすることができなくなったことは、彼らにとって大きなターニングポイントとなった。

「僕が加入し、メンバーは5人になったんですが、当時の僕はまだ子供でしたし、そこまでメンバーと密にコミュニケーションを取るということはあまりなかったんです。でも、2021年にメジャーデビューができることになり、パシフィコ横浜という、大きな会場でライブをやらせてもらった時に、全員の意識がパチッと変わる瞬間があったんです。あそこでみんなが“もっと大きくなりたい”という共通意識を持つことができたんです」

山中柔太朗 撮影/有坂政晴