確かな演技力で、数多くの映画やドラマに出演している俳優・池松壮亮(34)。10代から子役として活動し、劇団四季のミュージカル『ライオンキング』のヤングシンバ役で俳優デビュー。その2年後には、トム・クルーズ主演作『ラスト サムライ』でハリウッド映画デビューを飾り、さらに2年後には『鉄人28号』で映画初主演を果たすなど、俳優としてのキャリアは長い。そんな池松さんに、俳優としてのあり方や、自身にとっての「CHANGE」などを聞いた。【第4回/全4回】

池松壮亮 撮影/有坂政晴

 主演作『半分の月がのぼる空』(09)や、『横道世之介』(12)などを経て、『愛の渦』『紙の月』『ぼくたちの家族』(14)の3作品で第38回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど、日本の映画界にとって欠かせない存在となっている俳優の池松壮亮さん。

 26年度NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』では、仲野太賀さんが演じる豊臣秀長の兄、秀吉を演じることでも話題だ。そんな池松さんにとっての「CHANGE(変化・転機)」となったことや、「今年のベスト」という映画について聞いた。

――媒体名の「THE CHANGE」にちなみ、池松さんにとって「CHANGE(転機や変化)」となったなと思う作品や役との出会いを教えてください。

「自分にとって役や作品との出会いは全てが“CHANGE”になっているんです。自分にとっての物作りは作品や役の大小に限らず、身も心もささげるような感覚があるんです。そこには毎回新たな体験や、新たな人や物語との出会いがあり、出会う前の自分とは違う新しい自分になっているような感覚があります。

 一つ一つの体験はそれが自分にとってどれくらいプラスかマイナスかに関わらず、全てが今の自分の一部だと思っています。なので自分のキャリアにおいての転機は観てくれる人が勝手に決めてくれていいと思っています」