速水もこみちとのCM共演がきっかけで気が付いたお芝居の楽しさ
入学した大学の卒業を条件に両親を説得し、芸能界入りすると、篠山紀信ら大物カメラマンがシャッターを切る週刊誌『週刊朝日』(朝日新聞出版)の名物企画“女子大生モデル”で雑誌デビューを果たす。
以後、アンニュイな雰囲気と美貌もあいまって、パナソニックや江崎グリコといった大手企業のテレビCMに登場。人生がCHANGEしたのではないか、とその時の印象を問うと、
「キオスクに雑誌が並んで、CMにも出させていただいて、“ウワー”みたいな。祖母も祖父も喜んでくれているのを見て、私モデルになっちゃった、って感じですかね。ただ、その時はあくまでも、容姿を利用したアルバイトをしている、という感覚でした」
それが変わった、転機とも呼べる「THE CHANGE」のタイミングは、すこしあとに訪れたという。
「速水もこみちさんと06年から2年間、恋人役で共演したダイハツ工業のテレビCMがあるんです。この時にセリフをいただいて、その掛け合いが面白いな、と。役者っていいな、芝居や映像のお仕事をもっとやってみたいと思うようになりました」
その後、日本テレビで放送され、TOKIOの長瀬智也が主演した『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』(2006年)で女優活動を本格化させる。
手越祐也や新垣結衣、仲里依紗といったその後、お茶の間を沸かせる若手スターが多数出演していたこのドラマでの経験を、彼女はどう捉えていたのか。
「当時はまだ21歳で大学生。本当に恥ずかしいんですけど、ただただセリフがもらえるのが嬉しかった。でも、現場でも、セリフを喋ったはいいけど、どこで歩みを止めるのかが分からない。
現場は同年代の俳優さんが多くて学園祭のような雰囲気で楽しかったんですけど、いま思えば、監督さんなんかは私みたいなダメ役者の相手もしないといけなくて、大変だったと思います」