2410人のなかから、見事オーディションで主演をつかみとった

 彼女にこの決定を知らせたのは、事務所の先輩であり『風、薫る』の前の作品、2025年後期の朝ドラ『ばけばけ』のヒロイン・髙石あかり。「風、薫る 大家直美 上坂樹里」と書かれたメッセージボードを髙石から渡されたという。

「実は、オーディションでは緊張しすぎたのか、頭が真っ白になってしまって思うようにお芝居ができなかったんです。終わった後も、ずっと“もっとできたはずなのに、悔しい”と、後悔ばかりだったので。まさか選んでいただけるとは……」

上坂樹里 撮影/有坂政晴

 上坂にとって、朝ドラ主演は、ずっと夢であり、目標だった。

「子どものころから、朝はいつも朝ドラがついていて、横目で見ながら学校に行く支度をしたりするのが日課でした。大ファンの清原果耶さんの『おかえり、モネ』や、事務所の先輩の川栄李奈さんの『カムカムエヴリバディ』は、毎朝楽しみに見ていました」

『風、薫る』で上坂が演じるのは、生まれてすぐに親に捨てられ、教会で育った大屋直美役。見上愛が演じる一ノ瀬りんとともに、明治時代に初めて誕生した看護婦養成所で看護を学ぶことになる……。

「撮影に備えて、明治時代の所作稽古などをしています。覚えることがたくさんあって大変ですが、楽しいと思えるように頑張りたいです!」