「楽しいばかりではない。それで自分の立場をなんとなく理解できた」

 たとえば、打ち上げ中。千秋さんは南原さんからこんなアドバイスを受けたという。

「“女の子のタレントの寿命は2年しかない。おまえはもう1年経ったから、あと1年しかないぞ”とか、急に言うんです。“いいのか、それで”と言うので、“イヤだ”って言うと、“この1年で結果を出さないと、森口博子さんや山瀬まみさんのように長く活動している人のようにはなれない”って。

 急に言われてムカつくけど、楽しいばかりではないんだなって。それで自分の立場をなんとなく理解できて、がんばろうと奮起しました」

 ほかには、手取り足取りの“お笑いレッスン”を受けたこともあった。

「ナンチャンが“ノリツッコミがヘタクソだから練習して”と言ってきて。私はお笑い芸人じゃないのに。そうしたら、その場にいたキャイ~ンやよゐこが、急に振ってくるんですよ。それで私なりにノリツッコミをやってみると、“ちょっと遅い””もうちょっとこうしたほうがいい”とか言ってきて。

 普通におしゃべりしていたのに、なんだよおもしろくないよこんなの! って思ってたんだけど、結果的にみんなが教えてくれていたんだな、って」

 仲間たちに引き出された千秋さんのバラエティのポテンシャルは、それから20年以上経ったいまでも、テレビのなかで際立っている。

千秋(ちあき)
10月26日生まれ、千葉県出身。1991年にオーディション番組『ゴールドラッシュ!』(フジテレビ系)の初代グランドチャンピオンになると、翌年には『ウゴウゴルーガ』(同)内アニメ『ノンタンといっしょ』で唯一無二の声優として知名度が急上昇。1995年に『ウッチャンウリウリ!ナンチャンナリナリ!!』(日本テレビ系)でポケットビスケッツを結成。多くのヒット曲を生み、ブームを巻き起こした。ファッションアイコンとしても知られ、自身のブランドも展開。chiaki名義で2023年7月7日にパッパラー河合と制作した新曲『アオゾラ』を配信スタート。