2025年、史上最年少(23歳)、史上最短芸歴(3年)で『Rー1グランプリ』王者に輝いたピン芸人の友田オレさん。このところライブにテレビにと破竹の勢いで邁進し、決勝戦で披露した「芸歴42年の演歌歌手・風間和彦」が日本クラウンからメジャーデビューを果たすなど多才に活躍中だ。そんな友田さんのTHE CHANGEは、どこにあったのだろうか。【第1回/全4回】

友田オレ 撮影/有坂政晴

「すみません! お待たせしました!」

 特に待たされてもいない取材スタッフに対し、謙虚な身のこなしで長身の若者が頭を下げる。おなじみのえんじ色に衣装を着ておらず、前髪をなでつけていない友田オレさんが取材場所に現れたとき、それが友田さんだと気づくのに時間を要した。今年3月放送『Rー1グランプリ』(フジテレビ系)で王者に輝いた瞬間は、円熟味を帯びた毛量のあるロマンスグレーにダブルのスーツという出で立ちの「芸歴42年の演歌歌手・風間和彦」だった。その片鱗はいま、まったくない。

 そんな風間和彦が、6月25日に日本クラウンからメジャーデビューを果たした。リリースした楽曲は、Rー1グランプリ決勝の舞台で披露した『辛い食べ物節』である。いちネタが、演歌・歌謡曲の老舗である日本クラウンから大真面目にデビューするに至ったきっかけは、純烈酒井一圭さんだったという。

「酒井さんから“なにかリリースしないか”とお声をかけていただいたんです。僕としては、願わくば本当に曲を出せたらいいなあと思っていたところで、まさか実現するとは思っていなくて、すごくうれしいです」

 酒井さんは子役時代を含めると芸歴42年。風間和彦も同芸歴ということで、「そこも縁だね」と言ってくれたという。

「レコーディングに立ち会ってくださって、アドバイスをくれたんです。本当に紅白を目指すための第一歩として、いろいろ考えてくださって。すごく親身になってくれました」