俳優・小池徹平は、いまや日本の舞台演劇のトップランナーのひとりだ。ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでデビューし、20代からは同世代の俳優たちとともに、意欲的な作品に挑んできた。そんな小池が経験してきたTHE CHANGEとは──。【第1回/全3回】

小池徹平 撮影/有坂政晴

 2025年8月から東京・広島・愛知・福岡・大阪で上演する、ミュージカル『ある男』の稽古のさなか、小池はTシャツにジーンズというラフな稽古着でインタビューに応じてくれた。芥川賞を受賞した平野啓一郎氏の小説のミュージカル化で、小池が演じるのは謎の男・X。浦井健治が演じる城戸章良と、濵田めぐみの後藤美涼の前に現れるキーマンとなる。

「2年前に上演のお話を聞いたとき、これをミュージカルでやるのかと驚きました。そして同時に“すごいな”と、熱量が湧いてきましたね。恋愛ものでもないし、壮大な悲劇でもない、いままでにないジャンルのミュージカルになりそうだなと、直感しました」