そこで頑張れたのはそのとき、子どもが2人いたから
「『銭金』で評価されたから、当時はロケばっかり呼ばれましたね。(島田)紳助さんの『バリバリバリュー』だったり、フジテレビのお昼の生番組のリポーターだったり。でもそうやってちょっとずつ仕事が増えていきました。やっぱり『銭金』は僕にとって一番の転機だったと思いますね」
今呼ばれるならこの番組だ、と予想して『銭金』を録画して研究したという嗅覚が転機を生んだともいえる。
「今俺レベルのやつが呼ばれるのはたぶんここだろう、って思ったんですよね。だから、もし呼ばれた時にはどうしたらいいのか、って、いろんな人がロケに行くのを見て、こういうのを好むんだなとか、こういうやり方をするんだこの人はとか、自分がいたらこうしたいなとか、いろいろシミュレーションしてました。
でも、振り返ると、そこで頑張れたのはそのとき、子どもが2人いたからですよね。稼げなかったら辞めるしかないんで。他の同世代の人よりは、ちょっと気合いが違ったかなっていうのはあるかもしれないです」

その後、『アメトーーク!』の「ガンダム芸人」など、いわゆるひな壇に呼ばれる機会も増えていく。
『アメトーーク!』はもう既に人気番組で、すごく出たいけど、基本、吉本さん中心の番組で、出ることもないだろうな、と思ったんですよね。僕の記憶では最初、(堀内)健ちゃんと東MAXと一緒に出たのが最初だと思うんです。そのときに健ちゃんはあんな感じでカマシまくるんで、その横で、僕のことなんてあんまり知らないだろうなと思ったから、こっちも好き放題やってました。そうしたら、まあまあいい感じだったので、それが「竜兵会」にもつながっていったんじゃなかったかな。「竜兵会」のときも有吉(弘行)も劇団(ひとり)もみんな(『アメトーーク!』の出演は)初だったし、ダチョウ(倶楽部)さん自体も初めての『アメトーーク!』だったから、頑張らないと、みたいな感じだったの覚えてますね。あの頃はまだ肥後(克広)さんがちゃんと仕切るというか、リーダー的なポジションだったけど、本番直前の舞台袖で“土田、頼むわ”って(笑)。俺がやらなきゃなと思って必死でした」
芸人として様々な転機やきっかけをつかみながら前に進む土田さん。この「竜兵会」も大きなポイントだったという。
(つづく)
土田晃之(つちだ・てるゆき)
1972年生まれ、埼玉県出身。お笑いコンビ「U-turn」解散後、ピン芸人としてバラエティを中心に様々な番組で活躍中。ガンダム、家電、ゴルフなど趣味も多く、老若男女から幅広い支持を集める。多くの芸人を世に出した「華の昭和47年組」でもある。
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