音楽劇『エノケン』に出演する松雪泰子が思う、舞台ならではの醍醐味
──物語と、解釈をクリアにした状態で芝居を組み立てられたと。
「海外の演出家とご一緒する機会は何度かあり、日本とは違う組み立て方をしていくんだなとは感じていましたが、『るつぼ』は特にぜいたくな時間でした」
30代からはドラマ・映画に加えて精力的に舞台への出演も続け、ほぼ毎年舞台に立っている。『るつぼ』のような海外原作の戯曲から、時代劇や音楽劇まで。五体で役の生きざまを体現する喜びを味わってきた。
「舞台に出させていただくと、やはりライブで、ダイレクトに俳優の持つエネルギーをお客様と共有できるところが一番の醍醐味です。同じ空間で同じ感動を共有できることが、まず稀有ですごい体験です。その空間で肉体と知力、感性、それに想像力を駆使してお届けできることは、この職業をやっていくなかで、毎回素晴らしい経験をさせていただけているなと思います」