官能的な役柄にも体当たりでチャレンジ 

 

 ドラマ『明日、私は誰かのカノジョ Season2』で入山さんが演じる江美は、性的なサービスに従事する役柄だが、本人はどう考えているのか。

「官能的な役をいただくことはけっこうあるんです。だから、毎回不思議な気持ちになりますね。そんな風に見られているんだ〜って思います。

 恥じらいとかはないですよ。この姿が誰かの目にとまるのが恥ずかしいから演じるのを辞めよう、というのは一切ありません」

 共演した俳優仲間やスタッフには“役柄が私生活でも抜けていない”と指摘されることもある彼女だが、本作ではどうだったのか。

「江美のことは客観視できていると思いますね。私も彼女と同じで、後悔だったり“たられば”を引きずることもある。占いだってメルマガに登録していますし、週の初めに届く星座占いなんかは見ますよ。だけど、それに頼ってラッキーアイテムが“焼き肉”だから食べなきゃ、とかまでは考えません」

 私生活で経験した出会いや別れ、悔しい思い……。それすらも前向きに捉え、同じ時間を共有した人には感謝していると述べる彼女。決して悲観的にならないその性格だからこそ「入山、今の芝居を続けると嫌われるぞ」という言葉をきっかけに、自身を客観的に見ることができるようになった、ということだろう。

 30代も後半に差し掛かり、なお演技の幅を広げる入山さんは、この先も様々な形で物語を届けてくれるはずだ。

 

入山法子(いりやま・のりこ)
1985年8月1日生。埼玉県出身。大学に入学した2004年に『週刊朝日』(朝日新聞出版)の表紙を飾る形でモデルデビュー。06年にはTOKIO長瀬智也が主演した人気ドラマ『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』(日本テレビ)で女優活動を本格化させた。その後、07年『ハケンの品格』(日本テレビ)翌08年・映画『ハッピーフライト』(東宝)といった話題作に出演し評価を高める。11年には初主演ドラマ『霧に棲む悪魔』(東海テレビ)が放送。22年には三好達治の生涯を描いた映画『天上の花』(太泰)で主演を務めた東出昌大の妻・萩原慶子役を熱演。ドラマ・映画・舞台と様々なフィールドで活躍している。

ドラマ『明日、私は誰かのカノジョ Season2』
5月2日よりTBS・MBSで毎週火曜日に放送中。お金だけを信じ、お金のためだけに働く女子大生ソープ嬢役を主演の茅島みずきが演じる。同じ店で働く江美役には入山法子。江美は占いに人生を委ね、周りに流されながら生きていく40代の女性だ。そんな彼女は父の死去に伴い実家に戻るも、心酔する占い師の導きによりスナックで働くことになる。ある日、そのスナックの常連客から関係を持ちかけられ……。