コミカル、クール、ニヒル……阿部寛といえば、どんな役も絵になるトップ俳優だ。今秋、阿部が挑むのは、ネットの炎上によって無実の罪を着せられるサラリーマンの逃避行。モデルから転身し、役者の道に“覚悟の半生”を投じてきた阿部寛のTHE CHANGEとは──。【第1回/全3回】

「“ネットって容赦ないな”というのが、第一印象でした。いろいろな炎上のニュースを知ってはいましたが、脚本を読み、改めてYouTubeでも調べてみたりして、余計にリアルに感じられましたね。“こうやって追い込まれていくのか”と。まさに現代的なお話で、精神的にも肉体的にもズタボロに追い込まれていく様は、やってみる価値があるなと思いました」
9月26日公開の映画『俺ではない炎上』(山田篤宏監督)に主演している阿部は、作品の印象を笑顔でこう語った。189センチの長身に、たくわえたヒゲが精悍(せいかん)な印象をもたらすが、語り口は軽やかだ。