共演した若手俳優の芦田愛菜、藤原大祐、なにわ男子・長尾謙杜に…

──現場には芦田さん、藤原さん、長尾さんと、若い世代の俳優との共演はいかがでしたか?

「みなさん、本当にしっかりしたお芝居をされていました。それに印象的だったのは、ちゃんと自分の意見を持っていることです。監督とも対等に自分の意見を伝え、ディスカッションをして芝居を組み立てていくのが、当たり前の時代になってきたんですね。僕が若いころは、そんなこと考えもしませんでした」

──それは時代の変化を実感しますね。

「昔の僕は監督に“全部お任せします”というスタンスでやるしかなかったです。上下関係もあるし、そもそもお芝居の見当がつかなくてプランなんて持てなかったので(笑)。いまはSNSでもいろいろな情報が手に入って、人の考え方を知ることができます。そこから“自分はこうだ”と意見をしっかり持てるようになったのは、SNS時代のポジティブな側面なんだなと思います」

 はたしてこの炎上劇、悪いのは誰なのか。混迷のネット社会を象徴する映画の中で、平凡な中年男性になりきってもがく阿部の姿は、やはり格好いい。そして彼の人生にも、山縣泰介と同じように五里霧中の状況でもがいていた時期があった。

阿部寛(あべ・ひろし)
1964年6月22日生まれ。神奈川県出身。189センチ。『MEN'S NON-NO』(集英社)のモデルとして活躍後、1987年に映画『はいからさんが通る』で俳優デビュー。1994年に映画『凶銃ルガーP08』『大阪極道戦争・しのいだれ』で第4回日本映画プロフェッショナル大賞特別賞を受賞。その後、2000年にスタートした主演ドラマ『TRICK』(テレビ朝日系)がヒットし、その後もドラマ『ドラゴン桜』シリーズ(TBS系)、『結婚できない男』シリーズ(関西テレビ・フジテレビ系)、『坂の上の雲』(NHK)、映画『テルマエ・ロマエ』(2012・2014)など主演作多数。2025年は映画『ショウタイムセブン』『キャンドルスティック』、ドラマ『キャスター』(TBS系)で主演。レトロなデザインの公式ホームページもしばしば話題を呼んでいる。
ヘアメイク/AZUMA   
スタイリスト/土屋詩童

映画『俺ではない炎上』大ヒット上映中

■キャスト:阿部寛
芦田愛菜 藤原大祐 長尾謙杜
三宅弘城 橋本淳 板倉俊之 浜野謙太 美保純 田島令子
夏川結衣
■原作:浅倉秋成『俺ではない炎上』(双葉文庫)
■監督:山田篤宏
■脚本:林民夫
■音楽:フジモトヨシタカ
■主題歌:WANIMA/🔥おっかない🔥(unBORDE/WARNER MUSIC JAPAN)
■公式HP:https://movies.shochiku.co.jp/oredehanai-enjo
■配給:松竹
Ⓒ2025「俺ではない炎上」製作委員会 Ⓒ浅倉秋成/双葉社

『俺ではない炎上』大ヒット上映中 配給/松竹 Ⓒ2025「俺ではない炎上」製作委員会 Ⓒ浅倉秋成/双葉社