クラブW杯で浮上したJリーグの課題「世界レベルの選手を呼ぶことが必要かもしれません」

 では、岡崎は2大会連続で日本代表を率いる森保一監督について、どう考えているのだろうか。

「森保さんが2回目のW杯というのは、けっこう大きいと考えています。大会に慣れているという経験値もですし、本当にご自身にとっての“集大成”みたいな思いも、プラスに働くのではないかなと思っています」

 W杯という特別な舞台を一度、経験していることの意味は、限りなく大きい。森保監督の修羅場の経験が2026年大会での飛躍につながる可能性を岡崎は感じている。

2009年のW杯アジア最終予選ウズベキスタン戦で決勝ゴール!撮影/渡辺航滋(Sony α1使用)

 

 では、この夏、アメリカで行われた、世界の名だたるビッグクラブが一堂に会したクラブ・ワールドカップについては、どう思ったのだろうか? この大会は来年6月の北中米ワールドカップの予行練習、豪華すぎるリハーサルの意味も兼ねていたと言われるが、日本から参加した浦和レッズはイタリア、アルゼンチン、メキシコの強豪クラブ相手に全敗に終わり、Jリーグのチームは世界の大舞台では通用しないのではとの、後ろ向きの考えもある。だが、岡崎は、浦和レッズの国際舞台での経験をプラスにとらえる。

「ああいった国際的な舞台で浦和レッズがプレーできたことは、日本のモチベーションになります。アメリカまで応援に駆けつけた多くのサポーターの姿も素晴らしかった。それに、ヨーロッパや世界の強豪クラブとJリーグのクラブは、オフの日本ツアーなどでしか、その力を比べることができなかった。Jリーグのクラブである浦和レッズが、ああいう真剣勝負の舞台で世界の強豪クラブとやることで、Jリーグ全体に危機感などが出てくるといいですね」
 これまでJリーグの実力は、主にJリーグから海外へと移籍した選手の活躍を通じて測られることが多かった。しかし、クラブ単位で世界と直接対戦することで、より具体的で現実的な“課題”が浮き彫りになったという。

「このままの現状維持、Jリーグで維持していこうという方向性だと、おそらくJリーグのクラブはダメになってしまうかもしれない。そうではなくて、もっと他の国のリーグに勝つために世界に目を向ける、すべてのJクラブが世界に目を向けていくと、もっともっと面白いJリーグになるんじゃないでしょうか。そのためには、Jリーグの黎明期のように、世界レベルの選手を呼ぶことが必要かもしれません。Jクラブは外国人選手を積極的に取り入れて、リーグの底上げをしようという試みも必要だと思います」