50ゴールの偉業よりも残る悔しさ「あそこで結果を残せなかった」
Jリーグの底上げが、サッカー日本代表の国際舞台でのさらなる活躍につながるという岡崎。では、日本代表で歴代3位となる50得点を記録したストライカーが印象に残っている、または忘れられない自身のゴールは、どのゴールなのか。そう聞くと、意外な反応が返ってきた。
「本当に薄くなっているんですよ、自分の記憶が。選手生活が終わって、新しい方向に目が向いていますから、なおさらかもしれません」
それでも、2009年のW杯アジア最終予選ウズベキスタン戦の決勝ゴールや、コンフェデレーションズカップでのイタリア戦のヘディングゴールは、記憶に残っているという。だが、岡崎の心境は複雑だ。多くの人が称賛する50得点という記録以上に、「悔しさ」のほうが強く残っているという。
「皆さんが50ゴールについて称賛してくださるのですが、僕の中では“悔しい”というか、“あそこで結果を残せなかった”というほうが多いのです。コンフェデのイタリア戦でのゴールは、アジア以外の国から点を取れた、そしてコンフェデで2得点したことでドイツのチームからオファーがきたという個人的な満足はあるのですが…日本サッカーの歴史に刻まれたゴールというのが、あるじゃないですか。僕はそういった点が取れていなし…自分の中では悔いというか、正直、そういった気持ちでいます」
本田圭佑の南アフリカW杯デンマーク戦での無回転フリーキック弾、乾貴士のロシアW杯ベルギー戦でのスーパーミドル弾。そうした「歴史に残る」ゴールを、岡崎はワールドカップで決めることができなかった。その強い後悔の念が、岡崎慎司の人生における次なる目標を掲げる契機になったという。