ドイツ6部バサラ・マインツの監督として、奮闘を続ける岡崎慎司。日本代表監督を目指す日本代表レジェンドの目に、現在の森保ジャパンは、どのように映っているのか。
2026年に開催される北中米ワールドカップで、森保監督が掲げる目標、「優勝」を成し遂げることはできるのか。サッカーの最前線であるヨーロッパで、指揮官を務める岡崎慎司が感じる、現代サッカーの「潮流の変化」と、北中米ワールドカップで戦う「日本代表の現在地」、代表への期待やJリーグへの提言まで聞いた!(全4回/第2回)
日本代表の可能性「今までよりも一番、多い。他の国との差も縮まってきている」
2026年にアメリカ・カナダ・メキシコ3か国共催で行われる北中米ワールドカップ。岡崎はサッカー日本代表の可能性を、どのように考えているのだろうか。
「間違いなくチャンスは、今までよりも一番、多いと思います。他の国との差も縮まってきている。日本にすごい選手が多く出てきているのもありますが、停滞している国もあるので、差がなくなってきている。同じぐらいのレベルになってきています」
根拠となるのが、世界のサッカー界で起きている構造的な変化だ。かつては突出した「個の力」を持つ選手の存在が勝負を分けていたが、現在のサッカーは明らかに異なる方向に向かっているという。
「リオネル・メッシとか、クリスティアーノ・ロナウドみたいな怪物が1人2人いて、そういった選手が試合を決めるということではなくて、そこそこやれる選手が多くなりました。総合的に、フィジカル的なサッカーになってきたからというのもありますが、特定の1人が目立つサッカーではなくなってきていると思います」
この変化により、これまでの強豪国といえども安泰ではなくなった。「どこの国が来てもおかしくないという状況」が生まれ、「早めに転げ落ちるというか、負ける可能性も全然なくはない」時代となったのである。2018年ロシア大会、2022年カタール大会と、2大会連続でW杯グループステージ敗退となった優勝4回を誇るドイツ代表が、その最たる証拠といえよう。